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合計80畳の床に無垢のハードウッドフロアを貼る

2000年5月6日〜6月30日

技術的難易度 難易度ハンマー難易度ハンマー
肉体的疲労度 難易度ハンマー難易度ハンマー難易度ハンマー難易度ハンマー難易度ハンマー
精神的満足度 難易度ハンマー難易度ハンマー難易度ハンマー難易度ハンマー

我々が購入した家は「良質の家を低コストで作る。」というコンセプトに基づいて作られている。このため、床の選択肢は絨毯とビニールタイルのみであった。しかし、この選択肢が家の価値をだいぶ下げていると感じた。
特にビニルタイルは実用上便利であるが、やはりその質感がどうも安っぽい。また、一般に絨毯よりもハードウッドフロアの方が家の価値は上がる。やはり自分の家はなるべく本物にこだわりたい。それなら床はハードウッドとタイルとしたい。そこで我々は床オプションとして「床はいらない。自分でやる。」ということを選択した。

さて、その自分でやると決めたハードウッドフロアであるが、現在では無垢のハードウッドフロアを施工するケースは非常に少なく、ラミネートハードウッドまたはイミテーションハードウッドと呼ばれる合板に木目がプリントしてあるものや、合板の表面に薄いベニヤが貼ってあり、すでに仕上げまで済んでいるものが一般的である。
これらイミテーションハードウッドフロアは汚れ、傷が付きにくいと宣伝されている。しかし、1mm程度しかない表面材にひとたび傷が付けばもう為すすべはない。一方無垢のハードウッドは厚さ20mm、傷が付いてもヤスリで削ればまた真新しい床となるのが魅力である。
さて、フロア材購入のために価格調査をしてみると、無垢の無塗装ハードウッドが一番安く、ラミネートハードウッドフロア材の約半値ではないか!
これはもう無垢のハードウッドフロアをDIYするしかない。
(材料費が安いにも関わらず現在あまり普及していない訳は後になって身にしみて分かるのであるが・・・・)

ハードウッドフロアを施工するのはバスルーム、トイレ、ユーティリティールームを除く他すべて、広さを計算すると約80畳となった。

5月6日
まずはフロア材の買い出し
無垢のフロア材を取り扱っているところは最近は非常に少ない。値段も考慮に入れ、車で片道40分かけてシンシナティにあるホームディポまで買い出しに行く。
床材は無垢のレッドオーク。厚さ2センチ、幅6.8センチ、長さは様々の板材も80畳分となると合計約2トンという重さになる。結局、車2台(ミニバンと小型車+トレーラー)で2往復し、すべての板材を運んだ。
床材の購入と同時に下に敷くアンダーレイメントと専用釘打ち機、専用釘(5千本)、ベルトサンダーを購入。(この釘打ち機は使用後返品することをお店の人に耳打ちされた。よく見るとこの釘打ち機には結構使い込んだあとが・・・・)
2トンの床材の上げ下ろしだけでヘトヘト。床材はとりあえずガレージに保管しておく。
5月12日〜14日
いよいよ施工開始である。
工事前の床は16インチ間隔のジョイストの上に3/4インチ厚のOSB合板がサブフロアとして敷いてある。
この上にまず防湿のためにアンダーレイメントを敷く。この緑色のアンダーレイメントは薄いフォーム状になっており、防湿だけでなく若干のショック吸収機能もある。本来はパーゴ社の薄いイミテーションハードウッドフロア用
アンダーレイメントを敷き終わったら、その上にジョイストの位置をマークしておく。これはあとで床材を釘で固定する際にジョイストに釘を打ち込むため。最初はチョークラインでマークしたが歩き回る内にすぐに消えてしまう。こんな時は日本の墨壺があれば良いのだが、アメリカで簡単には手に入らないので、マジックインキで線を書く。
「床材は施工前にその部屋に数日間放置し、木の水分量を施工する部屋とバランスさせる事が大事である。」と教科書に書いてある。このため部屋の中に床材の一部を井桁状に並べ放置しておくこととした。しかし、このことが本当に良かったのかは疑問が残る。このように部屋に放置した床材ほど板の曲がりが大きく、施工に非常に手間がかかった。工場で直線にカットされた床材はカット時と異なる湿度に置かれると曲がるのは当たり前である。このため床材は保管時の湿度変化をなるべく受けないようにひとまとめにして厳重にラップでくるまれている。部屋に数日放置することなしに直接まっすぐな板を施工してしまった方が良かったのではないか?
5月21日〜31日
さて、いよいよ床材の施工である。床材は厚さ20mm、幅68mm、長さは500mm〜2000mmまで様々、材種はレッドオークである。材はTongue & Groove (凸&凹)加工が施してあり、この凸部に釘を打ち込む。
まず、壁から床材一列分と壁との隙間を考慮した位置にチョークラインで直線を引く。 これは家の壁というのは直線でないためこの線を基準に床材を張り始める。床材は凹側を壁に向けジョイストの方向と直交するように貼る。
また、湿度により収縮膨潤するため壁から10mm 以上隙間を開けて貼る。最初の数列は後述する専用ネイラーが使えないため表からフィニッシュネイラーで固定する。
床材が曲がっている場合は短い床材から作製したくさび治具を利用し、まっすぐ締め付けてから釘を打ち付ける。実際ほとんどの板はこの治具の助けを要した。この曲がった板の矯正が一番手間取ったが、ここで手を抜くと冬季の乾燥時、床に隙間が空いてしまうことになるので、しっかりと板を締め付ける。
空調の吹き出し口などはジグソーで切り欠いてから貼り付ける。
後はひたすら板の曲がりを矯正しながら専用ネイラーで打ち付けていく。
妻と二人掛かりで、土日は朝6時から夜10時まで、ウィークデーは会社が終わってから夜6時から夜10時まで休みなく続けて11日間でやっと貼り終えた。これが今までのDIYの中で一番つらいものであった。正直とんでもない無茶なことを始めたと後悔。しかしそのうち体も慣れアドレナリンの放出によるものか? ランニングハイならぬDIYハイ状態となる。この11日間で体重が5kg 減った。
6月24〜25日日
無塗装のまま床材を部屋の気候に馴らす。床材は部屋の湿度を吸って膨らみ一日中ミシッ、ミシッと音を立てている。そのうち板の継ぎ目に数mmの段差が出来た。
このような状態が落ち着いてから、仕上げにかかる。レンタル屋でフロア用のドラムサンダーとディスクサンダーを借りてくる。ドラムサンダーで板の継ぎ目の段差が完全になくなるまで削る。ドラムサンダーでは届かない壁際などは小型のディスクサンダーを使用する。これらのサンダーは非常に強力でホンの一瞬でも立ち止まるとすぐに溝が掘れてしまうので特に削り始めは難しい。歩きながらそーっとドラムを床に触れさせることが肝心である。
注意! この写真ではうちの奥さんが板の貼ってある方向に直交してサンダーをかけていますが、これは大きな間違いです。サンダーは必ず板の貼ってある方向へかけること!
うちの奥さんはこの方が簡単に削れると言っていますが、この後、サンダーのつけた傷を削り取るのにどんなに苦労したことか・・・・
サンドペーパーは粗目から中目、仕上げと3段階に番数を上げていく。その都度ダストは掃除機で取り除くのだが、80畳の床となるとサンダーから出てくるダストも半端ではない。普通の掃除機では歯が立たず、木工用のセントラルダストコレクターを持ち出す。この大きなダストコレクターのバック2袋分の削りかすが取れた。
6月26日〜30日
サンダーが終わったらなるべく早く塗装をしなければならない。我が家はステインなしで、いきなり油性のポリウレタン(艶消し)を塗ることとした。僕はどうもあの水性ポリウレタンの白っぽい色が気に入らない。油性ポリウレタンは時間が経つと黄色く変色するのが欠点であるといわれているが、僕はあの変色した飴色の感じが気に入っている。
油性塗料を扱う場合は防毒マスクが欠かせない。モップのようなアプリケーターで結構手荒に端から塗っていく。よく考えないと退路がなくなるので注意!
一回目塗り終わり、充分乾いてから#120 のドライウォール用 サンドペーパーで軽くなでるように磨く。このあたりは大きさは違うが、木工の仕上げと基本的には一緒である。削り粉をきれいに取り除いてからもう一度油性ポリウレタンを塗り、乾いた後再度#200のサンドペーパーがけ、削り粉を取り除いて終了である。本当はこの後ポリッシュをするとピカピカの床になるのだが、そうするとせっかくの無垢の質感が損なわれてしまうような気がして手を抜いている。

実際に80畳の床を無垢のハードウッドフロアで貼ってみて、「同じ事を他のDIYer にも勧めるか? 」と聞かれれば「材料費は高くともイミテーションハードウッドフロアを勧める。」と答えるであろう。それほど今回のプロジェクトは肉体的、精神的に厳しいものがあった。作業が非常に単調で手間がかかり、そしてとにかく腰に来る。10畳程度の広さなら施工にそんなに問題はないかも知れないが、ようやく作業にも慣れ、コツがつかめてきた頃には終わりとなるであろう。

---追伸--- 施工後始めての冬を迎えたが、床にほとんど隙間は見られないところを見ると施工はうまくいったものと思われる。やっぱり無垢の本物は良いですな。

参考になったWeb Site

National Oak Flooring Manufactures Association施工方法、仕上げの方法はこのサイトを参考にしました。
Porta-Nails, Inc.床専用釘打ち機ポーターネイラーのWeb Site

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